二部作の後編。前編は見逃してしまったものの、冒頭で詳しく説明してくれたのでおおよそを理解。
作品に登場する神田隆扮する大立者(田中角栄的)の外道っぷりと、彼に迫害される側の執念がすさまじい。
さらにすごいのは、桜井刑事(藤岡弘、)の、スタローンやセガールやシュワルツェネッガーの系譜に属する活躍。
大立者に殺された親友の敵を討とうとした復讐者は刺客に襲われ負傷、ダイナマイトを仕掛けたボートは
朦朧とした彼を乗せたまま海の上を漂う。追いついた警察側のボートから背広を脱ぎ、ズボンの裾をまくって海へ飛び込む弘、。
泳いでボートへたどり着き、タイムリミット寸前でコードを切断して爆発を防ぐ。
ボートの上の橘(本郷功次郎)にさわやかに手を振る弘、の笑顔が若々しい(基本フォルムは今とさほど変わらず)。
復讐者側のマドンナ役に鳥居恵子(実生活では弘、の元夫人)。「白い牙」の頃より表情が豊かだ。
ドキュソな兄が輪島から来た弟を殺し屋に殺害させ、それを悲話に仕立てて宣伝、業者とつるんで輪島塗を売りまくる。
殺された男の小さな娘と仲良くなっていた鉄は、娘を輪島へ送り届けると共に、自らが頼み、そして落札した殺しを能登の海岸で遂行する。
決闘ムードにあふれる殺しのシーンが良い。
特にご当地ネタである御陣乗太鼓が響く中、娘の父親を殺害した伝八と鉄の対決は、ウルトラセブン対宇宙人的なストイックな演出。
まだ漆黒に染まりきっていない青い闇のもと、二つの真っ黒な影がぶつかり合う。巳の会(最低限のモラルを持たず金で動く)に
属する殺し屋伝八の武器は竹串。娘の父親は街中ですれ違いざまこれで心臓を刺されたのだ。
マウントポジションを取られた鉄は右胸あたりを刺されるがひるまず、ガードポジションから伝八の骨を外して倒す。
ゴツゴツした感じの格闘と、映像の美しさが印象に残った。「必殺」は見終わった後アッパーな気分になれる度合いが高いが、
特にこの「新仕置人」はその要素が強い。