かなり昔に見たときとずいぶん印象が違っていて驚く。最後の屋敷での死闘以外はほとんど忘れていた。内容は、「闇の両替商一味が、色々あって自分たちに
刃向かうことになった仕事人たちと戦う」というもの。
ストーリー自体はシンプルで、最後の大立ち回りがすべてをカタルシスへと強引に持っていく。もうそれだけで満足。今回の中村主水はハードボイルドかつ
ズダボロになりながらも正義感を秘めていて哀愁がある。追いつめられた主水たちが敵陣のまっただ中で繰り広げる戦いには、殿様系時代劇にはない必死さがあった。
助っ人に来ておきながら、何もしないまま殺されて首を取られる参（鶴瓶）、組紐がなくなると一気に無力化してしまう竜（京本）、武器を持った集団相手に
怪力だけで戦う壱（レディス4柴俊夫）という犠牲を出しながらも、仕事人たちは一応戦いに勝利する。松坂慶子が両替商一味のお飾りボス（良心が残っている）として
出演しているが、彼女はどちらかというと仕事のきっかけを作る殺される善人か、あるいはゲスト仕事人のほうが良かったように思う。
のちに「必殺！�后Σ�金の血」にも登場する岸部一徳が出てきた途端、こいつが悪者だろうと反射的に思ったが、彼は「仕事のきっかけを作る善人」で、
責任をかぶって一家心中をする役だった。人は見た目で判断してはいけない（笑）。
鉄っつぁんや印玄、壱みたいに豪快で超人的な殺し技も見ていて痛快だけど、半兵衛のカミソリ・政吉の形見の懐剣等の非力且つ身近な道具で如何に強敵を倒すか？と言う緊迫感も面白いですよね。だからシリーズ中で仕事屋が好きなんですが。