_ ちなみに↑のCMだが、「ヘリコプターから縄梯子につかまった男がホテルに降り立つ」というシチュエーションで、

松本零士アニメ系の女声ボーカルによる♪ラ〜ラララ〜ラララ〜　相模湖ロ〜ヤル〜　という曲がかぶるというもの。
高校生の頃、俺は友人と共に「マイナー企業のテレビCMを録音する」ことに凝っており（当時高価だったビデオでないあたりが時代である）、
主にテレビ東京やテレビ朝日の朝・夕方・深夜といったあたりで数々の名作に出会ったものである。

「オガワのマスク」（モンスターマスク等製造販売）、「霊波之光」（「特捜最前線」婦警役関谷ますみが通り雨の中子供とふれあう）、
「ユリアポット」（携帯トイレの走り）、「びっくりうかしもち」（水に入れてもどす餅、「もちださん」という顔が餅のキャラ登場）、
「クイーンエリザベス石庭」（佐藤蛾次郎出演、言わずもがな）、「ロアンヌ」（舶来グッズ販売、メガネのパリーミキと似た感じ）、
「瀬里奈」（♪せりなせりな）、「銀座ウエスト」（洋菓子店）、あと店の名前を忘れてしまったが、
宮本武蔵が巌流島の決闘同様遅れて約束の場所へ着くと、相手の佐々木小次郎がすっかり料理を食べ終わっていた、
というオチのレストランもあった。

こういった数々のCMの中でも、他と比べて相模湖ローヤルのそれはいつ流れるかがまったく読めず、ふと気を抜いたときにオンエアされるなど
我々が何度も出し抜かれた希少種だった。
後に俺は幸運にも相模湖ローヤルCMの録音に成功するが、無力感や挫折感、忍耐といったものをこの経験からかなり学んだのは事実だ。
今このあたりのテイストを残しているのは、当時より放送本数が圧倒的に少なくなった「ミネラル麦茶」、
あるいは千葉テレビ、テレビ埼玉、テレビ神奈川の首都圏UHF局の地元企業CMくらいである。ああ、アリック日進…　ああTiki Tiki…
ああ、寄木細工の小田原露木木工所…　ああ、伊豆さかなやのニセ久米宏…