*3/13追記〜人間シリーズは、「ガス」「電送」「液体」の三部作であり、「透明」は含まれないとのこと。
怪獣映画ではなく本当に「特撮」。内容としてはアクション物・探偵物に近い。
旧日本軍が作り出した透明特攻隊の生き残りが、ずっと透明でい続けなければならない身をはかなんで銀座で車に轢かれて自殺。
死んでようやく元の姿に戻れた彼の遺書から、もう一人生き残りがいることがわかる。
これに便乗して「透明人間」を名乗るギャング団が暗躍し、本当の透明人間がそれに立ち向かう… という話。
覆面をかぶって全身を隠し、銃を突きつけて透明人間を名乗り、例えば銀行が怯んだところでお金をせしめるのがギャング団の手口。
本当の生き残りの透明人間は、グランドキャバレーのサンドイッチマンをしている地味なおじさん。
ピエロの服装とメイクをしているので人の姿が保たれ、変な格好でも別に不思議がられないという一石二鳥。
絵に描いたような木賃アパートの隣人である盲目の少女と、このおじさんは日頃から交流。
少女の親代わりの祖父(夜警)が、ギャング団に利用された挙句口封じのために殺されてしまう。
復員して以来、ずっとひっそり生きてきたおじさんは正義の怒りに目覚め、一連の事件の真相を見抜いた新聞記者のサポートを得て、
透明人間である身の上を生かしてギャング団と戦うのだ。
ハリウッド制作だったらきっとド派手な映像にするだろうが、昭和29年度作品ということもあってか非常に地味。
今からすると原始的な特撮ではあるものの、工夫を凝らしているためさほど稚拙な印象はない。
サンドイッチマンが自室で記者に正体を明かすときの、「メイクを落とすと姿が消える」シーンや、
「通り過ぎると足跡だけが残る」などの演出のうまさが良い感じ。
ビルの高さが全体的に低く密度の薄い銀座の町並み、骨とう品のような自動車、路面電車など、当時の風景を知る資料としても面白い。
ラストのバトルで強引に火災を起こし、円谷特撮ここにありを見せ付けている感じがちょっと無理矢理(笑)。
「哀しいがちょっぴりいい話」といった味わいの小品。これ一本だけで見るとわびしくなるかも知れない。
これも東宝〜人間シリーズの一作。「透明人間」は特殊能力を善のために使う男の話だったが、こちらは犯罪に使う。
マッドサイエンティストの口車に乗せられて実験材料にされ、体を自由にガス化できるようになった図書館司書がこれ見よがしに罪を犯し、
それで得たお金を、実力はあるが困窮している日舞の師匠に貢ぐという話。
ガス化できるので人間時に捕まっても隙間からすり抜けるし、知性は人間のままなのでタチが悪い。
ガス化し、口や鼻を覆うことによって人を窒息死させてしまう。
普通の人間に戻れなくなった男は当初自暴自棄になるが、ガス化できるのをメリットと考えるようになり、結局それに溺れて滅んでいく。
SFを加味したメロドラマという感じ。
なんといってもガス人間役の土屋嘉男が良い。竹中直人によく似たルックスを存分に生かし、楽しそうに怪演。
今でも年相応にきれいな、師匠役の八千草薫が若い頃はかなり素晴らしかったのを実感。
師匠の傍についているじいや役の左卜全(ズビズバーの人)の実直な演技も好感が持てる。
この作品も「昭和30年代の東京」を象徴する風物があちこちに見受けられ、そういうのが好きな人にはそれだけでも楽しめる。
この時代の映像作品を見るたびに感じること。
*時代が時代だけに、昔の人には基本的にデブがいない。ちょうど北朝鮮の人民のような体格。太っていたとしても固太り・骨太。
*パーツの造作が大きい(特に顔)。
*女子供に媚びた街づくりではない。
*「よくってよ」「あ〜ら」「しょってらあ」系の、今ではもう聞くことのできないタイプの口調が懐かしい。
これらのシリーズ4部作+ビデオ化されていないため(一説では、「前時代的な部落」の描写がダメだとか)マニア間では有名な
「獣人雪男」が見られる映画館。
大映ものですが、「虹男」のポスターがかっこいいと思えてなりません。
どういう話かは全く知りませんが。るれいささんはご覧になりましたか?